夏に増える膀胱炎・尿路感染症
- 2026年7月3日
- 一般内科
暑い季節は「水分不足」が大きな原因です
暑い日が続く夏は、熱中症だけでなく膀胱炎や尿路感染症も増えやすい季節です。
「トイレが近い」「排尿時に痛みがある」「急に熱が出た」といった症状は、尿路感染症が原因かもしれません。
今回は、夏に膀胱炎や尿路感染症が増える理由や、予防法についてご紹介します。
尿路感染症とは?
尿路感染症とは、尿の通り道(尿道・膀胱・尿管・腎臓)に細菌が入り込み、炎症を起こす病気です。
代表的なものには次のような疾患があります。
- 膀胱炎(膀胱に炎症が起こる)
- 腎盂腎炎(細菌が腎臓まで広がった状態)
膀胱炎は女性に多い病気ですが、高齢者や糖尿病のある方、前立腺肥大症のある男性、尿道カテーテルを使用している方なども発症しやすくなります。
なぜ夏に増えるのでしょうか?
① 汗をかいて水分不足になりやすい
夏は大量の汗をかくため、体の水分が不足しやすくなります。
水分摂取が少ないと尿量が減り、細菌が尿と一緒に体外へ排出されにくくなります。その結果、膀胱内で細菌が増殖しやすくなります。
② トイレを我慢する機会が増える
外出中や仕事中などで排尿を我慢すると、膀胱内で細菌が繁殖しやすくなります。
「忙しいからあとで」と我慢する習慣は、膀胱炎の原因になることがあります。
③ 免疫力が低下しやすい
暑さによる睡眠不足や疲労、食欲低下などは免疫力の低下につながります。
免疫力が落ちることで、通常は感染しない程度の細菌でも感染を起こしやすくなります。
このような症状はありませんか?
膀胱炎では次のような症状がみられます。
- 排尿時の痛み
- 頻尿
- 残尿感
- 尿が濁る
- 血尿
- 下腹部の違和感や痛み
さらに、
- 38℃以上の発熱
- 悪寒
- 背中や腰の痛み
- 強い倦怠感
がある場合は、腎盂腎炎へ進行している可能性があります。
腎盂腎炎は重症化すると入院が必要になることもあるため、早めの受診が大切です。
高齢者では症状が分かりにくいことも
高齢者では、排尿時の痛みや頻尿が目立たず、
- 元気がない
- 食欲がない
- ぼんやりしている
- 急に歩けなくなった
- せん妄(急な混乱状態)
といった症状だけで受診されることもあります。
ご家族が「いつもと様子が違う」と感じた場合は、尿路感染症が隠れていることがあります。
尿路感染症を予防するポイント
今日からできる予防法をご紹介します。
こまめな水分補給
のどが渇く前から、少量ずつこまめに水分を摂りましょう。
※心不全や腎臓病などで水分制限の指示がある方は、主治医の指示に従ってください。
尿を我慢しない
細菌を体外へ排出するためにも、排尿を我慢しないことが大切です。
陰部を清潔に保つ
過度な洗浄は必要ありませんが、清潔を保つことで感染予防につながります。
十分な睡眠と栄養
疲労や睡眠不足は免疫力を低下させるため、規則正しい生活を心掛けましょう。
当院で行う検査・治療
当院では、症状に応じて
- 尿検査
- 必要に応じて血液検査
を行い、尿路感染症の診断・治療を行っています。
細菌感染が疑われる場合には、適切な抗菌薬を処方します。
高熱や背部痛がある場合には、必要に応じて連携医療機関への紹介も行っています。
気になる症状があれば、お早めにご相談ください
膀胱炎は早期に治療すれば比較的改善しやすい病気ですが、放置すると腎盂腎炎へ進行することがあります。
「少し痛いだけだから」「水を飲めば治るだろう」と自己判断せず、
- 排尿時の痛み
- 頻尿
- 血尿
- 発熱
- 腰や背中の痛み
などの症状がある場合は、お早めにご相談ください。
暑い季節だからこそ、水分補給を心掛け、尿路感染症を予防して元気に夏を過ごしましょう。