結論:ひと冬に2度かかることは「あります」
結論から申し上げますと、ワンシーズン(ひと冬)の間に、2回インフルエンザにかかる可能性は十分にあります。
一度かかって治ったとしても、体の中にできる「免疫(ウイルスと戦う力)」は万能ではありません。なぜこのようなことが起きるのでしょうか?それには大きく分けて2つの理由があります。
2. ウイルスの形が微妙に変化しているため
理由1:インフルエンザウイルスには「型」がある
インフルエンザウイルスは1種類だけではありません。大きく分けて「A型」「B型」「C型」の3種類があり、さらにその中で細かい種類に分かれています。
主な型の違い
| 型 | 特徴 | 流行時期 |
|---|---|---|
| A型 | 症状が激しく、変異(形を変えること)しやすい。世界的な大流行を起こす原因になりやすい。 | 12月~2月頃がピーク |
| B型 | A型ほど急激に変異はしないが、消化器症状(お腹の不調)が出ることがある。 | 2月~3月頃に流行することが多い |
| C型 | 症状は軽く、一般的な風邪と見分けがつかないことが多い。一度かかると免疫が長続きする。 | 通年(季節性はない) |
最も多いケースは、「シーズン前半にA型にかかり、後半にB型にかかる」というパターンです。A型のウイルスに対する免疫ができても、それはB型のウイルスには通用しません。そのため、まるで初めてかかったかのように発症してしまうのです。
理由2:同じ「A型」でも2度かかる?
さらに厄介なことに、「A型にかかった後に、もう一度別のA型にかかる」ということもあり得ます。
A型の中には、さらに細かい分類(亜型)があります。例えば、A香港型(H3N2)と、Aソ連型(H1N1)などです。これらは親戚のようなものですが、顔つきが違うため、免疫システムが「あ、この前来たやつだ」と認識できず、攻撃できないことがあります。
「A型にかかった」=「すべてのインフルエンザに対して無敵になった」わけではありません。
油断せずに予防を続けることが大切です。
ワクチンを打っていてもかかるの?
「予防接種を受けたのにインフルエンザにかかった」「2回もかかった」という声を聞くことがあります。これはなぜでしょうか。
インフルエンザワクチンは、感染を100%防ぐバリアではありません。ワクチンの主な目的は以下の2点です。
- 発症の可能性を減らす
- かかったとしても、重症化(肺炎や脳症など)を防ぐ
つまり、ワクチンを打っていてもウイルスが体に入り込めば感染することはありますが、打っていない場合に比べて症状が軽く済んだり、治りが早くなったりする効果が期待できます。
今日からできる!再感染を防ぐ3つの習慣
一度かかったからといって油断せず、基本的な感染対策を続けることが、あなたと家族を守ることにつながります。
1. 正しい手洗いと湿度管理
ウイルスは乾燥を好みます。部屋の湿度は50〜60%を目安に加湿しましょう。また、外出先から帰った際の手洗いは、ウイルスを物理的に洗い流す最も効果的な方法です。
2. 人混みでのマスク着用
咳やくしゃみによる飛沫感染を防ぐため、流行期の人混みではマスクが有効です。特に、一度かかって体力が落ちている時は、他の感染症も貰いやすくなっているため注意が必要です。
3. 休養と栄養
一度インフルエンザにかかった直後の体は、ダメージを受けています。無理をしてすぐに通常の生活に戻そうとせず、しっかりと睡眠をとり、消化の良い栄養のある食事を摂って、基礎免疫力を高めましょう。
まとめ
インフルエンザは、「ウイルスの型が違う」などの理由で、ひと冬に2回かかることが十分にあり得る病気です。
「一度かかったからもう無敵!」と油断せず、シーズンが終わるまでは手洗い、うがい、加湿などの基本的な予防を心がけましょう。もし、治ったはずなのに再び高熱が出た場合は、迷わず医療機関を受診してください。